- 作者: NHK「フランケンシュタインの誘惑」制作班
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/03/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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たまたま図書館で見かけたのだけど、科学倫理の話として面白かった。
副題にあるように、犠牲者を出す人体実験を行ってしまった5人の科学者について書かれている。 時代背景などは異なるが、好奇心や国家への忠誠心、理想が生み出されている。 人体実験を行った科学者本人それぞれは、それぞれが従った正義を否定することはないようだ。 本文中にも書いてあるのだが、謝罪することはそれまでの自身が行ったことを否定することになり、それは自身が気づきあげてきた理論を否定することになるからなのだろう。 あくまでも科学や国家、人類のために、ということを裏付けとして行ったことで、それは誤りではないということなのだろう。 確かに、彼らが行ったのはエセ科学というものではなく、それぞれの領域の発展に貢献する結果も出してはいる。
科学者といえどもただの人であり、置かれた状況によっては、間違った行為と思いつつも誤ったことに手を出してしまうのかもしれない。 それは「服従の心理」に書かれていることがそのままなのだろう。
この本の最後に池内了氏が言うように、科学者の暴走を止めるために、行き過ぎた科学者に対して一般市民が声を出して批判することは大切なのだろう。 そのために、科学について知っておく必要があるのだな。 と思った。